私はファミコン世代です。
夢中でドラクエにハマったものです。
未だに圧倒的な人気を誇るドラゴンクエストですが、そりゃあすごいと思える部分はたくさんあります。
RPGの先駆けで、「これがRPGです!」というフォーマットを知らしめたのがこのドラゴンクエスト。
今回はファミコン時代の作品1.2.3.4のBGMにスポットをあてて、超個人的な考えと言葉で面白いと勝手に思っている部分を書いていこうかと思います。
苦情は受け付けません(笑)
ファミコンの同時発音数はたった4つ!
まずはファミコン音源について。
ファミコンの音源というのは同時に4つの音しか出せませんでした。
例えばメロディー、ハモリパート、ベース、ドラムのらしき音(笑)の4つ。
でもこれって伴奏の和音が入って無くて、曲で考えればスカスカなんですよね。
主旋律とベースは必要だろうから、残りの2音を伴奏和音に使うか、ドラムなどに使うか、または、ここはドラム、ここはハモリとごちゃ混ぜにするか。
とにかく4音しか同時に出せないと言うのはものすごい制約なんですね。
アイデアとセンスがなければこの制約の中で感動を与える曲なんてできやしない。
すぎやまこういち先生が書いたドラクエの曲はどれも感情の乗った名曲。
しかもオーケストラ。
それをたった4音に落とし込んだ技術とセンスに脱帽しますね。
では早速超個人的なファミコンドラクエ名曲を紹介します。
いろんな方の動画をリンクしています。
アップ主様でご迷惑をおかけしていたらご連絡頂きますようよろしくお願い致します。
すぐに削除いたします。
ドラクエ1 洞窟
最初っからマニアックなものを紹介しますが、この曲は主旋律と単音伴奏のたった2音で構成されており、ずーーっと同じメロディの単調な繰り返し。
にもかかわらず洞窟の中にいるという不穏な空気を表すかのようなメロディ、そして1階下るごとにキーを下げることによってより深部へと入り込む恐怖を見事に煽ってくれる。
まさにセンスとアイデアの一曲。
ドラクエ1 竜王 (真の姿)
実はドラクエ1は、オープニングとエンディング以外のBGMはどんどが2音で構成されており、それでも町や城などの雰囲気が出てて素晴らしいのですが、その2音のBGMの中で物語が進みいよいよ竜王との決戦。
真の姿になった時にかかるこの1曲!!
(※動画では0:20頃から)
重厚感あふれる和音で鬼気迫る感じを演出!
プレーヤーは壮大な戦いをイメージせざるを得ない!
ドラクエ1トータルの演出として、ここに重厚な和音を持って来るというセンスに脱帽です。
ドラクエ2 復活の呪文
苦い思い出たっぷり、復活の呪文のBGMです。
Love Song 探してというタイトルが付いています。
2になるとBGMにドラムみたいな音を使うようになり、より楽曲感が増しました。
中でもこの曲は長い復活の呪文を入力してる間に途切れることなくずっとかかってる曲なので自然と耳に残る曲。
そして単調な短いループのBGMではなくまるで本当の曲のような構成を持つ、ゲームのBGMとしてはとても珍しい曲でした。
ゲーム内のペルポイという町にいる歌姫アンナに話しかけるとBGMがこの曲に変わると言うギミックにも使われているのですが、このアンナというキャラは当時アイドルだった牧野アンナとされており、この曲に実際の歌詞を乗せて本当に歌手としてデビューしてる人なんです。
ちなみにその後の牧野アンナは安室奈美恵のバックダンサーSUPER MONKEY’Sのリーダーを経て現在はAKBの振り付けなんかをしてますね。
ドラクエ2 フィールド
ドラクエ2になると主人公が途中で仲間を集めて3人で戦うという流れになります。
1人旅だった最初のBGMはこんな感じ。
そして仲間が3人集まったところで、仲間集めの旅からいよいよ魔王討伐へと物語が進みます。
というわけで3人集まったらBGMが変わる。
こうやって、新たな冒険がまたここから始まるという雰囲気をプレーヤーに植え付けてくれる演出にわくわくしたものです。
「Love Song 探して」程ではないのですが、ゲームBGMとしては長尺の曲になっていますね。
裏ノリの跳ねた感じの伴奏にドラムの役割もしているスタッカート気味なベース、それでいて流れるようなメロディーが実に心地よい曲です。
ドラクエ2 塔
この曲では洞窟のような薄暗いイメージではなく不穏な空気の中を上がっていくという雰囲気がとても出ています。
不協和音のはずなのに不快感の無い構成、それでいてマーチのようなスネアのリズムを前面に出すことによって突き進むイメージを表現。
スネアの音をここまで全面的に出すからこそ成り立つ曲だと思います。
ドラクエ3 城
シリーズもいよいよ3作目。
社会現象にもなったドラクエ3からはまずお城のBGMを。
バロック調の音楽で気分はまるで17世紀のヨーロッパ。
これぞ王宮というイメージにぴったりでありながらとても複雑な曲。
主旋律とそれを追いかける裏メロの会話のような旋律がとても心地よく、たった4和音なのにここまで完全にオーケストラを感じさせる曲はそれまで聴いたことがありませんでした。
幼い私はこの曲のメロディーを弾けるようになりたくて一生懸命ピアノに向かったものです。
ドラクエ3 ラーミア
とても人気の高い曲ですが、当時の私は綺麗な曲だな程度にしか思えませんでした。
まぁ人にはそれぞれ人の感じ方がありますから(笑)
しかしオーケストラ版を聞いた時「なんてドラマチックな曲なんだ!」と驚愕しました。
簡単なメロディーの繰り返しなのにこんなにドラマチックに思えるんだろうか。
そう感じてしまうともうファミコン音源を聞き直しても前の時とは全く聞こえ方が違うんですね。
ドラクエ3 ゾーマ
初期のドラクエにはシリーズ全部を通しても必ず上位に入る人気曲がいくつもあります。
ゾーマ戦のBGMはまさにその代表格。
ゾーマに話しかけ、最終決戦が始まった時のBGM最初の2小節!!
16分音符がタカタカタカタカーっと流れるその2小節だけでテンション上がる!!
まさに激闘!
まさに最終決戦!
そしてこの曲はいろんな人がいろんな楽器編成でカバーしている動画がたくさんあります。
私のお気に入りの最初の2小節はあくまでもファミコン音源だけのものなのですが、この曲をピアノで弾いている動画を紹介します。
とても素敵です。
楽曲の力で言えばやっぱりオーケストラ!
これほどこの曲のポテンシャルを上げている編成はない!
オーケストラライブを観に行ってこの曲を生で聴いた時、鳥肌が止まりませんでした!
まぁ元々ドラクエの曲は全部オーケストラなのでこっちが曲の本当の姿なんですけどね。
ゾーマの曲は2:50頃から
ドラクエ4 戦闘
歴代ドラクエシリーズの戦闘曲で最も好きな曲です。
これもゾーマ同様、最初のイントロのような2小節で心を掴まれます。
複雑なメロディを交えながら、タンタカ♪タンタカ♪タンタカ♪タンタカ♪というリズムで曲が構成されていて、疾走感と迫りくる感じが心を躍らせてくれます。
そして急にリズムが変わり、この曲のサビともいうべき壮大なメロディーラインへと激変、そのカッコよさに思わず「曲を聞きたいから戦闘を終わらせたくない!」などと思ったものです。
曲は必ずループするように出来ているのでまた冒頭のお気に入り2小節に戻るのですが、ここではベースラインが入っているので戦闘開始時の2小節とは微妙に違う構成でリピートされます。
こうすることによって途切れ感のないスムーズなリピートが可能になってるんですね。
実はとても複雑な曲で4拍子や3拍子といったわかりやすいリズムではなく、サビに入ると変調しまくり、リズムを取るのがとても困難になるという変態な曲。
でもその展開がまたトータル的に最高な気分にさせてれる大好きな1曲。
これだけの曲をたった4和音で表現できるなんて、もうパルプンテです。
ドラクエ4 ジプシーダンス
第4章の戦闘曲。
踊り子と占い師による物語の第4章において戦闘曲をこの曲にするというセンスは実に面白い。
まさに世界観。
もう過去作品のような単調な曲ではなくなり、それまでと同じ同時発音数4という条件下で作ったとは思えない曲。
跳ねるような伴奏に主旋律に追いかけるような裏メロ。
かと思えば和音をガツンと当ててきて、その後ちょっとだけベースを主役にしてすぐにまた高揚させるようなフレーズに入り最初に戻すと言う、プレーヤーを休ませない展開。
この章だけ戦闘のBGMを変えるというこだわりもすばらしい。
ドラクエ4 デスピサロ
重厚感のあるゆったりしたメロディーはまるでゴジラの登場。
途中、豪快に和音だけで展開する部分もかなり高度なコード進行で、私には耳コピできませんでした。
そしてサビです。
サビシステムに私は弱いのでしょうか(笑)
そのサビのまたカッコイイこと!
急にタテノリの、ヘッドバンギングでもしたくなるようなテンポ感!
デスピサロは進化をして完全体になるとまた音楽は変わりますが、私は圧倒的に完全体になる前のBGMが好きですね。
ドラクエ4 エンディング
最後は4のエンディング曲です。
ドラクエ3のエンディングはもちろん名曲なのですが、紹介するのは4のエンディングです。
いわゆるエンディング曲というのはどれも感動的にできているのですが、5部構成で出来ている4はそれぞれの章にテーマソングを持っていて、エンディングではそれらが組曲としてエンディングの中に盛り込まれているというとても面白い作りになって居ます。
初めてエンディングを見た時は「あれ?2章の曲だ!」「3章の曲もちょこっとだけ入ってるw」などと一喜一憂したものです。
こういう、遊びが満載でありながらも感動的な曲に仕上げるセンス。
最高です。
この曲はNES BANDというファミコン音源を手弾きで再現するというバンドの動画で紹介しようと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ドラクエの曲はどれもすばらしく、もちろん紹介してないものでまだまだ最高で面白い曲はたくさんあります。
ドラクエ1のラダトーム、ドラクエ2のエンディング、ドラクエ3のフィールド、ドラクエ4のコロシアム、まだまだ数え上げればきりがないんです。
曲を聞けば思い出が蘇る。
それがドラゴンクエストに置ける音楽の世界。
たった4和音で奏でられるメロディーは今も色褪せることなく、私を冒険に導いてくれています。
最後はやっぱりテーマソングである序曲で終わりたいと思います。