紙幣が一新!!新紙幣に描かれる3人を簡単に紹介

新元号発表から間もない2019年4月9日
20年ぶりに紙幣のデザインが変わり2024年から発行されることが発表されました。

新一万円札は渋沢栄一

新五千円札は津田梅子

新千円札は北里柴三郎

えーっと・・・

どちらさんでしょうか(笑

刷新の目的や裏面に関しても含め簡単に紹介していこうかと思います。

 なんで新しくするの?

今の紙幣にはさまざまなからくりが組み込まれており簡単に偽造できない作りになっています。
とは言え、偽造業者の技術も時代と共に進んでいるので永年今のままの紙幣で大丈夫かと言われれば疑問が残るところ。

今回の刷新には最新の偽造防止技術を反映させるのが主な目的とされています。

コンピューターウィルスとアンチウィルスソフトの関係に似てますね。
イタチごっこになっちゃうけど防犯対策をしないワケにはいかないのです。

そして新元号「令和」の発表からあまり間を置かずに公表することで「新時代の幕開け!!ふぉーーー!!」な感じを高めるという狙いもあるようです。

 人選の基準

まずは明治以降の文化人にしようということになりました。
そのうえで、偽造を防止するためには出来るだけ細かくて鮮明な写真を使った方が良いので、そんな写真が残ってる人物。
そして紙幣にふさわしい品格があって国民に広く認められている人物。

という選考基準があったようです。

個人的には今までの福沢諭吉・樋口一葉・野口英雄の3人に比べると少し知名度は下がるのかなとは思いますが、今回の3人もそれはそれは立派な方々です。

財務大臣である麻生さんはこの人選に「新たな産業の育成、女性活躍、科学技術の発展など現代にも通じる諸課題に尽力し、新元号のもとでの新しい日本銀行券にふさわしい人物」としています。

 新一万円札 渋沢栄一

「資本主義の父」と呼ばれた実業家。

  

天保11年(1840年)に武蔵国榛沢郡血洗島村(現在の埼玉県深谷市血洗島)に誕生。
藍玉の製造販売と養蚕や農業を手掛ける家で育ち、14歳で仕入れなどをこなす。

明治生まれではないんですね・・・
まぁ活躍したのが明治なので、「明治の文化人」ということですね。

19歳で結婚。
その後、幕末の儒学者 海保漁村の門下生になり、北辰一刀流 千葉栄次郎の道場に入門し剣術を学ぶ。

幕府を倒す計画をするほどの野心がありながらもなんやかんやで幕府側の一橋慶喜に仕えることになり、のちに慶喜は将軍になる。(徳川慶喜)

慶喜の異母弟と一緒にヨーロッパを巡り、シーボルトの長男に語学を習い、先進的な産業や軍備、社会を見て感銘を受ける。

大政奉還により江戸幕府が終焉を迎え横浜に帰国すると、謹慎処分となっている慶喜に「これからはお前の道を行け」と背中を押され、ヨーロッパで学んだ社会制度を実践する為に奔走。
静岡で商法会所を設立。

やがて大蔵省に入省し様々な企画立案や条例の制定に携わるも大久保利通・大隈重信との対立で退官し、商法講習所を設立。

商法講習所っていうのは商業の専門学校みたいなものかな。
現在の一橋大学の源流だそうです。

それからはもう凄い!

官僚時代に設立を指導していた第一国立銀行(現在のみずほ銀行)の頭取に就任!
その他、多くの地方銀行、東京海上火災保険、日本製紙、東急電鉄、帝国ホテル、秩父鉄道、東京証券取引所、キリンビール、サッポロビール、など、500以上もの企業の設立に携わったり創業したり!

そして明治の富豪たちのように財閥を作らず「私利を追わず公益を図る」という考えを貫いた。

昭和6年(1931年)92歳で永眠。

 新五千円札 津田梅子

津田塾大創始者

  

元治元年(1864年)江戸の牛込南御徒町(現在の東京都新宿区南町)に誕生。
幕臣だった父親が幕府終焉とともに職を失い、築地のホテル館に勤務したため津田家は向島へ転居。
西洋野菜の栽培を手掛ける農家でもあったが、明治4年(1871年)に北海道開拓使の嘱託となった父は、女子教育に関心を持っていた開拓使次官 黒田清隆の「女子留学生企画」に娘の梅子を応募させ、5歳にしてアメリカへ留学する。


5歳の娘をアメリカに出す父・・・すごい・・・

アメリカに渡った梅子は11年に渡るアメリカ生活の中で、英語、ピアノ、キリスト教、ラテン語、フランス語、自然科学、心理学、芸術を学ぶ・・・すごい・・・

帰国すると、当時の日本では女子留学生が活躍できる場所がなく、しかも通訳が必要なほど日本語がわからなかったり生活習慣に慣れないという帰国子女あるあるを発動してしまう。

そんな彼女を救ったのが伊藤博文
彼の紹介で貴族階級の女性に教育をする私塾「桃夭女塾」を開設した下田歌子と出会い、英語教師となった。
日本語のできない梅子は歌子から日本語を教わるというギブアンドテイク方式でキャリアを積み華族女学校の英語教師にもなるが上流階級の気風に馴染めずイライラ、勧められたいくつかの縁談をすべて断り「二度と縁談の話しはしないでください。うんざりです!」という手紙とともに生涯独身宣言をする。

そんな中かつての留学友達アリス・ベーコンが来日し、梅子は彼女の薦めで再度の渡米を決意。、フィラデルフィアで生物学を専攻し蛙の発生に関する論文を書き上げ、教授法に関する研究に没頭。

やがて、日本習俗に関心を持ち日本人女性について研究していた友人アリス・ベーコンがアメリカへ帰国すると、研究の成果を出版することになり梅子はこの手助けをしている。
このことがきっかけで、梅子は女性教育というものに関心を持つようになり、留学を一年延長。
日本女性留学のための奨学金設立を発起し、日本の実情を訴える講演や募金活動を行う。

それから帰国した梅子は再び華族女学校の教壇に立ち、自宅で学生を預かるなど積極的に援助を行い、明治女学院、女子高等師範学校で教鞭を振るい、女子大学の創設運動に参加。
明治33年(1900年)36歳の時に女子英学塾を設立。
自ら塾長となり階級差別のない女子教育を行った。

昭和4年(1929年)脳出血のため64歳で永眠

女子英学塾は津田英学塾改名されるも校舎は戦争によって失われ、現在の津田塾大学として開校したのは梅子の没後19年目の昭和23年(1948年)のこと。

 新千円札 北里柴三郎

近代日本医学の父

  

嘉永5年(1853年)肥後国阿蘇郡小国郷北里村(現在の熊本県阿蘇郡小国町)に生まれる。
全く甘えを許さない父親の元、非常に厳しい躾をされた柴三郎は様々な親戚に預けられ、行く先々で厳しい教育を受けながら熊本医学校に入学。
そこで教員を勤めていたオランダ予備海軍軍医のマンスフェルトに出会ったことは大きく影響し、本格的に医学にのめり込んでいった。

明治8年(1875年)に東京医学校(現在の東京大学医学部)へ進学するも、在学中に教授の論文に口を出していたため学校側をうまく行かず何度も留年した。

そりゃ教授からすれば「なんなんだよ!この学生は!」とプライドを傷つけられたでしょうね(笑

柴三郎は医学士となり、「医学の使命は病気を予防することにある!」という言葉を掲げ、予防医学に人生をささげることを誓った。

知識や技術を習得することは同じでも、「病気を治せる人になるのではなく、未然に防げる人になるんだ」っていう発想は個人的には好きですねー。

その後、ドイツへ留学し数々の業績を上げて見せます。
世界で初めて破傷風菌だけを取りだす破傷風菌純粋培養法に成功!
破傷風菌抗毒素を発見し世界の医学界を驚嘆!
菌体を少量ずつ動物に注射しながら血清中に抗体を生み出す血清療法を開発!

素人には何のことだかさっぱりだぜ!
ハハハハハハハハハハッハハハーww

ノーベル生理学・医学賞の候補に名前を上げられるほどとなり欧米各国の研究所や大学からのオファーが殺到する事態なったが、日本の医療体制の改善や伝染病から国民を守ることに使命を感じ、すべてを断り帰国した。

帰国後、東大医学部と対立してしまい日本での活躍が制限される中、福沢諭吉の援助を受け私立伝染病研究所が設立され柴三郎は初代所長となった。

伝染病予防と細菌学に没頭し、香港に蔓延していた病原菌であるペスト菌を発見するなど、相変わらずの柴三郎無双。
しかし大人の事情から、柴三郎の知らないところで研究所が東京大学の下部組織にされてしまったため、大学と対立していた柴三郎は所長を辞し、私費を投じて私立北里研究所(現在の北里大学病院)を設立。
再び血清開発に取り組んだ。

やがて福沢諭吉がこの世を去ると、恩義に報いるために福沢諭吉が創設した慶應義塾内に医学部を設立し、初代学部長となった。
北里研究所の優秀な医師たちを慶応医学部にバンバン送り込み、柴三郎は終生無給で慶応医学部の発展に尽力した。

柴三郎は日本医師会の初代会長になり、全国規模の医師会の先頭に立ち医学の進歩に心血を注いだのでした。

昭和6年(1931年)78歳の時、脳出血で長い眠りについた。

 新札の裏面は?

新一万円札には東京駅丸の内駅舎

新五千円札には藤の花

新千円札には富嶽三十六景の「神奈川沖浪裏」

ちなみにほとんど忘れられてる存在の二千円札はそのまま据え置き。
500円硬貨は二色構造になるようですね。

 まとめ

いかがでしてでしょうか。
書いていて思ったのは、やっぱりこういう功績を残す人っていうのは幼少期からそれなりの環境にいたんだなということ。
そして行動力と周りに流されない強い意志を環境の中で培ってきたんだなということ。

常に自分が世界を変えるという高い意識があるんだなということ。

そして何より、自分を劇的に変えるような人物との出会いがあるということ。

出会いって何物にも替えられない財産ですよね。

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